WordPress保守に含まれる作業
保守の中身は会社ごとに違い、同じ「月額保守」でも作業の範囲がそろっていません。費用を比べる前に、今の契約に何が入っているかを確かめてください。民間の解説記事が挙げる主な作業は、次のとおりです。

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本体・プラグイン・テーマの更新
WordPress本体、プラグイン、テーマには、不具合や脆弱性を直す更新が出ます。更新を当てると画面が崩れたり、プラグインが動かなくなったりすることがあるため、保守ではテスト環境で先に試してから本番に当てるのが基本です。更新を自動で当てるだけのプランと、人の手で確かめるプランを分けている保守会社もあります。
2026年は本体にも深刻な脆弱性が続き、強制的な自動更新が配られました。経緯はWordPressの静的サイト化のページにまとめています。
バックアップと復元
サイトのデータを定期的に別の場所へ保存し、壊れたときや改ざんされたときに元へ戻す作業です。注意したいのは「復元」の扱いです。復元の作業が基本料金に含まれるか、別料金のオプションかは、契約によって違います。
稼働の監視と改ざんの検知
サイトが表示されているかを機械で見張り、止まったら知らせるのが稼働の監視です。改ざんの検知は、ファイルが書き換えられていないかを専用の道具で調べる作業で、手間がかかるため、含めていない保守会社や、上のプランだけに入れている保守会社があります。
文章や画像の小さな修正と問い合わせ
テキストや画像の軽い差し替えを料金に含める保守会社もあれば、オプションとする保守会社もあります。電話で相談できるかどうかも、プランによって分かれます。
WordPress保守費用の相場
民間の比較サイトや制作会社の解説記事に出ている目安をまとめます。どれも調べた会社による目安で、税込か税抜かは書かれていません。実際の金額は、見積書の税込総額で確かめてください。
| 保守の範囲 | 月額の目安 |
|---|---|
| WordPress保守全体 | 3,000〜50,000円以上※1 |
| 最低限の保守 | 10,000円前後※1 |
| セキュリティやサポートを厚くした保守 | 30,000〜50,000円ほど※1 |
| 更新とバックアップが中心の保守 | 4,000〜30,000円程度※2 |
| レポートやSEOなど運用まで含めた保守 | 15,000〜250,000円程度※2 |
※1 制作会社のブログによる目安(2026年版)。※2 クラウドサービス会社の解説記事による目安。いずれも税込・税抜の記載はありません。ECサイトや会員サイトは、料金が高くなる傾向があるとされています。
料金を公開している保守会社の例
料金表を公開している保守会社から、二つの例を挙げます。会社名は伏せています。
- ある保守会社A:初期費用なしで月額8,800円(税込)から、契約期間の縛りなし。ただし8,800円のプランは個人で運営するサイト向けで、企業向けのプランは月額19,800円(税込)です。料金は1サイトごとです。
- ある保守会社B:基本のプランが月額20,000円(税別。消費税10%を加えると22,000円)、上のプランが40,000円(税別)です。最低契約期間は3か月です。不正ログインの防止やマルウェアの駆除、電話でのサポートは上のプランにだけ含まれます。
2社とも、本体とプラグインの更新、バックアップ、稼働の監視は一番下のプランから入っています。上のプランとの差は、Aではテスト環境の用意、PHPの更新、独自のプラグインへの対応、Bでは人の手による更新、改ざんへの備え、電話の窓口です。月額の差は、この「上乗せ分」の値段だと考えると比べやすくなります。
保守費用が変わるポイント
- 更新の確かめ方:自動で当てるだけか、テスト環境で人が確かめるか。
- 改ざんへの備え:検知や駆除まで含むか、起きてから別料金で頼むか。
- 復元の扱い:バックアップからの復元が基本料金に入っているか。
- サイトの作り:独自のテーマやプラグイン、EC、会員機能があるか。
- 契約の条件:最低契約期間、サイトが複数あるときの割引の条件。

静的サイト移行をご検討の方へ
- PHP 8.1以前はサポート終了、8.2も2026年12月31日まで
- 移す機能を「静的にする・外部サービスに置き換える・やめる」に分けて決めます
- URLの一覧を作り、301リダイレクトで検索順位の引き継ぎに備えます
- 見積もりで範囲と金額を確かめてから、依頼するかを決められます
- 提携先の開発会社の名前は、決まり次第このサイトに掲載します
静的サイトにすると保守の何が変わるか
静的サイトでは、公開サーバーにWordPressもPHPも置きません。保守の作業は「なくなるもの」と「残るもの」に分かれます。静的サイトの仕組みそのものはトップページで説明しています。
なくなる作業
- WordPress本体、プラグイン、テーマの毎月の更新と、そのためのテスト環境
- PHPのバージョンを上げる作業(古いPHPの期限はPHPサイトの移行のページをご覧ください)
- データベースのバックアップ
公開しているのはHTMLと画像のファイルだけなので、バックアップは「ファイル一式を保管しておく」だけになります。サイトのファイルをGitなどの履歴の残る仕組みで管理すれば、前の状態にも戻せます。
残る作業
- ドメイン:期限ごとの更新と、DNSの設定を変えられる管理画面のアカウント。
- SSL証明書:Cloudflareにドメインを置く場合、無料の証明書の発行と更新は自動で行われると公式資料に書かれています。別の配信先を使う場合は、その仕組みを確かめます。
- ヘッドレスCMS:記事を更新するなら、CMSの月額とアカウントの管理が加わります。製品の選び方はヘッドレスCMSの導入をご覧ください。
- フォームの外部サービス:送信先の設定、受け取るメールアドレス、迷惑メール対策。
- ビルドに使う部品:サイトを組み立てるプログラムの部品にも更新が出ます。GitHubのDependabotのように、脆弱な部品を見つけて知らせる仕組みを使えます。
- 中身の修正:文章や画像の差し替え、ページの追加。
WordPressの更新は、本体とプラグインの数だけ毎月発生します。残る作業の多くは、年に一度の更新や、何かを変えるときの設定です。ここが、保守の頼み方を見直せる理由です。
プラグインで書き出す方法に残る更新
WordPressを社内などに残して、静的化のプラグインでHTMLだけを書き出す方法もあります。この場合も書き出し元のWordPressは動いているので、本体とプラグインの更新は続きます。公開サーバーの改ざん監視は減らせますが、保守の手間を大きく減らしたいなら、作り直す方法と比べてください。
毎月の費用を比べるチェックリスト
移行の前と後で、毎月と毎年の支払いを項目ごとに並べてください。合計の金額を先に決めるより、項目を漏れなく出すほうが比べやすくなります。
今の支払い
- 保守契約の月額(税込か税抜かも)
- レンタルサーバー代
- 有料のテーマとプラグインの年額
- ドメインの年額
- 保守契約の範囲外で頼んだ修正の費用(この1年分)
移行後の支払い
- 配信先(静的ホスティング)の月額
- ヘッドレスCMSの月額(入れる場合)
- フォームの外部サービスの月額
- ドメインの年額
- 修正を頼むときの費用(頼み方と単価)
- 移行そのものの費用(一度だけ)
移行の費用は一度だけ、保守費は毎月かかります。何年で差が埋まるかは、今の保守費の金額と、移行後に何を外部へ頼むかで変わります。
保守契約を見直すときの注意点
契約の条件を先に確かめる
最低契約期間を3か月としている保守会社もあります。移行の時期を決める前に、今の契約書で最低契約期間や解約の手続きを確かめてください。
アカウントの名義を確かめる
ドメイン、サーバー、WordPressの管理者アカウントが、自社の名義かどうかを確かめます。前の制作会社や保守会社の名義のままだと、DNSの切り替えのときに手続きが止まることがあります。ログイン情報が手元にない場合は、移行の相談と並行して引き渡しを依頼してください。
今のサーバーは公開と転送の確認まで残す
新しいサイトを公開し、古いURLからの転送が正しく動くのを確かめてから、今のサーバーと保守契約を止めます。URLの引き継ぎ方はJamstack構成でのリニューアルのページで詳しく説明しています。データの控えを取ってから解約すれば、あとで記事や画像が必要になったときにも困りません。
